皆様、令和元年秋期試験お疲れ様でした。
今回は試験に大規模な改修が入る際の第1段階として、午前試験の数学に関する問題の出題率が変わりましたが、試験の出来は如何だったでしょうか?
人によっては、

完ぺきだった!
という人や

いまいち問題が解けなかった・・・
なんて人もいるかと思いますが、合格発表までの少しの間、心と体を休めるようにしてください。
さて今回も恒例となりましたが、試験の総評、そして合格発表の日程について解説をします。
目次
それではさっそく、試験の総評からいってみましょう!

令和初となる試験は、どんな問題が出題されたんだろうね?

個人的に今回注目している点は、午前試験の改正だな。果たして数学の問題はどのくらい増えたのか?

色々気になるポイントがあるだろうから、早速内容を見ていこう!
・午前試験に出題された問題について

今回は基本情報技術者試験を統括するIPA(情報処理推進機構)から、以下のような改正があるという発表が出された試験でした。
・理数能力を重視し、線形代数、確率・統計等、数学に関する出題比率を向上
引用:IPA(情報処理推進機構)の「プレス発表 基本情報技術者試験における出題を見直し」ページ
「(3)午前試験での数学に関する出題比率の見直し(適用時期:2019年の秋期試験から)」より
では、実際の試験ではどのような変更があったのでしょうか?
まず情報数学の出題率について、過去の試験と比較してみたいと思います。
今回実施された試験と前回の平成31年春期試験を比べてみたところ、
- 令和元年秋期試験 7問
- 平成31年春期試験 4問
といった形で、情報数学の出題率は増えたようです。
また懸念された計算を必要とする問題の出題率についてですが、こちらは約7問と、
例年と比べて極端に増加している訳ではありません。
ただ過去には、計算が必要な問題が14問ほど出題されたという点を考えると、計算問題の勉強を疎かにして良いといった訳ではないため注意しましょう。
ちなみに問題の難しさについてですが、
個人的には若干難しくなっているという感覚を持ちました。
理由としては、
- 問題にアレンジが加えられている
- 応用情報技術者試験からの出題が有った
という点が挙げられるからです。
また情報数学の出題率が上がっている点を考えると、問題を丸暗記するような受験生は、容赦なくふるいに掛けられた試験と言えたでしょう。
そのため今後午前試験を受ける際には、問題の解き方を把握する勉強が必要です。

あれ? 今回は毎回恒例のトンデモ問題については話さないのか?

今回はトンデモ問題というか、単純に知識が無いと解けない問題とかが有ったね。例えば問4の極限の問題とか、問79のシュリンクラップ契約とかかな

ああ確かに今挙げた問題とかは、「試験範囲だろうけど・・・」と嘆きたくなる問題だったな

こんな問題が目につきやすいから、今回の試験は難しく感じたんだろうね・・・
・午後試験に出題された問題について

・問1 セキュリティ
今回出題されたセキュリティの問題は、例年の問題と比較して、
かなり簡単な問題でした。
簡単な問題と言った理由に関しては、
- セキュリティの知識がほとんど必要ない
- 問題に書かれているネットワークの図を追うだけで解答できる
といった点が挙げられるからです。
また強いて難しい問題を挙げるならば、最終問題の設問3ですがこの問題も、
- 送信元のIPアドレスが社内である
- 宛先のIPアドレスがVDIサーバである
という点に気づければ、割と簡単に解答を絞り込めた問題と言えます。
・問2 ソフトウェア
今回出題されたソフトウェアの問題は、
文系出身の人と理系出身の人で、点数の稼ぎやすさが大きく変わる問題と感じました。
特に設問1の高速化率の計算は、文系出身の人ならば問題を見た瞬間に、問題を選ばない方が無難と感じたほどではないでしょうか。
ただ後半のプログラム問題については、プログラムの内容をしっかり把握できれば、特に難しい問題ではありませんでした。
また最終問題の配列ipを埋める問題では、問題文の
「図4に示す配列ipであれば、スレッド並列法を適応できる場合とできない場合がある」という一文に気がつけるかがポイントです。
・問3 データベース
今回出題されたデータベースの問題は、例年と比べて、
簡単でもなく、難しくもない問題と感じました。
ただ前半のSQL問題の解きやすさから考えると、後半の文章問題は解きにくかったという印象です。
ちなみに後半の文章題のような問題を解く際には、文章をじっくりと読んで、内容に矛盾がないか確認してみてください。
例えば空白「d」に関していえば、ISBNコードが同じ書籍を追加するのにあたって、ラック表には情報を追加する必要がない、書籍情報表にはすでに情報が登録されているといった具合になります。
・問4 ネットワーク
今回出題されたネットワークの問題は、問題文が長く、
問題が解きにくいハズレ問題。
もし自分が試験を受けていたとするならば、スルーする問題と言えるでしょう。
また最終問題のIPアドレスの穴埋めについても、内容自体は、IPアドレスの送信元と宛先を追えば分かりやすい内容であったと言えますが、試験時間内に問題を正しく解くのはかなり難しかったと言えます。
・問5 ソフトウェア設計
今回出題されたソフトウェア設計の問題は、午後試験に出題された問題の中でも、
かなり簡単な点数稼ぎ問題。
内容自体、特別な知識を必要としない問題となっており、時間もほとんど掛からずに解ける問題であったため絶対に選んでおきたい問題です。
また今回の図に解答を当てはめるような問題では、問題文をキッチリ読んで、内容を照らし合わせるだけで解けるような問題が時折出題されます。
そのため午後試験の長文問題を解き始める際には、問題全体をチェックして、問題文と図がリンクするような箇所を見つけてください。
あとは該当する箇所をマーキングしておくと、問題が解きやすくなるため是非とも覚えておきましょう。
・問6 プロジェクトマネジメント
今回出題されたプロジェクトマネジメントの問題は、例年と比べて、
簡単でもなく、難しくもない普通の問題でした。
ちなみに躓きやすかった問題を挙げると、空欄「d」の消化済テスト項目数の穴埋め、空欄「e」のAさんの進捗遅れに対する対応だと思います。
空欄「d」の消化済テスト項目数は、60%経過時点での消化済テスト項目数の計画値を、表2の内容ではなく、表1の未消化テスト項目数と関連づけられるかがポイントと言えました。
そして空欄「e」に関しては、「イ」のテスト要員の追加以外を選択してしまうと、無駄な作業を増やしてしまうだけと気づけたかがポイントとなっています。
・問7 経営戦略・企業と法務
今回出題された経営戦略・企業と法務の問題は、計算問題の練習をどれだけ勉強したかというポイントが重要になる問題でした。
また設問3の穴埋めに関しては、固定費と変動費の知識をしっかりと持っていないと、解答するのが困難であったため、
例年の問題より少し難しいといった印象を持ちました。
ちなみに経営戦略・企業と法務の問題では、計算問題がセットで出題されるのが定番となります。
・問8 データ構造及びアルゴリズム
今回出題されたアルゴリズムの問題は、所々簡単に答えられる問題はあったものの、
すべての問題を試験時間内に解くのは難しいと感じた問題となっていました。
なぜ試験時間内に解くのが難しいと感じたか?
それは今回出題されたアルゴリズムの問題が、1つ1つのデータやプログラムをトレースして解答する必要があったからです。
他にもプログラム内に記載されている日本語による注釈も、プログラムの分かりにくさを増長させていると共に、試験時間を浪費してしまう原因になっていました。
また今回の問題はビット計算が用いられているため、ビット計算をしっかり勉強しているかで問題の解きやすさが変化するのも、問題の特徴と言えたでしょう。
すると設問1のような問題で、数問正解できるようになります。
そして終盤のトレースが必要な問題では、問題を粘り強く読み進める忍耐力が必要です。
そのため日ごろの勉強からアルゴリズムのプログラムを数多く読んで、前述した忍耐力とプログラムのトレースに必要な経験を身に付けてください。
・問9 ソフトウェア開発(C言語)
今回出題されたC言語の問題は、例年の問題と比較して、
簡単な部類に入る問題と感じました。
理由としては、
- プログラムの内容が把握しやすい
- 演算子の内容を答えるといった基礎的な内容が有った
という点が挙げられるからです。
ただプログラムの内容をしっかりと把握していないと、空白「c」辺りの問題は間違えやすかったため注意が必要と言えたでしょう。
そのため試験においてプログラミング言語をC言語にするならば、過去問題の復習にて、必ず文字列を扱った問題を予習するようにしてください。
・問12 ソフトウェア開発(アセンブラ言語)
今回出題されたアセンブラ言語の問題は、例年と比較して、
簡単でもなく、難しくもない問題と感じました。
出題された問題の傾向として、アセンブラの命令文をきちんと把握できているか? という問題が多く出題された回となっています。
ちなみに問題の内容上、シフト演算が多用されるプログラムとなっていましたが、こういった問題を解く際には、汎用レジスタの値を細かくメモするとミスを抑えられます。
アセンブラの場合は、汎用レジスタの使える数が決まっているため、内容が追いやすいという点を是非とも覚えておいてください。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20191025.pdf
・問13 ソフトウェア開発(表計算)
今回出題された表計算の問題は、例年の問題と比較して、
かなり簡単な部類に入る問題だと思いました。
理由としては、
- 問題の内容が理解しやすい
- システムがイメージしやすい
- システムの処理において、難しい処理を必要としない
以上の点が挙げられるからです。
ただし表計算特有の間違えやすさについては健在でした。
他にも使われている関数がどのような動きをするかというポイントについても、正しい知識が必要なため、油断すると点数を落としやすい問題であったと言えます。
特に表計算で使われているような式は、簡単なものが多いため是非とも試してみてください。
・令和元年秋期試験 総評

令和元年秋期に行われた基本情報技術者試験は、
午前試験はやや難しく、午後試験は若干簡単だったと言えるでしょう。
またそれぞれの試験における特徴として、
午前試験
- 既存の問題にアレンジを入れた問題が多かった
- 情報数学の問題が増加した
午後試験
- 問1~問7の長文問題については、解きやすい問題が多かった
- プログラミング言語の問題は、言語によって難易度にバラつきがあった
といった特徴が挙げられます。
ちなみに来年以降の午後試験では、配点を含む試験内容が大幅に改正されるため、より一層アルゴリズムとプログラミング言語の勉強を重視する必要があります。

今回の試験のように、長文問題にて点数を拾うようなやり方は通用しなくなるため、必ず改正される試験内容に目を通しておきましょう。
では以上で、令和元年秋期に行われた基本情報技術者試験の総評を終わります。

今回の午後試験は長文問題で点数が取りやすく、アルゴリズムで点数が取りにくいような、ハッキリと難易度が分かれていた試験だったね

あとは数学の要素が強い試験だったな。今後こういった問題が今後出題されるようであれば、計算問題に苦手意識があると、試験は厳しくなるだろうな

まあともかく令和初の試験、お疲れさまでした!

合格発表までは少し時間があるから、ちょっとの間でもゆっくりして精神力を回復してくれ
コメント