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試験概要

基本情報技術者試験とは、ITエンジニアの登竜門とする資格であり、ITという分野について、基本的知識と技術を身に付けたという証明ができる
経済産業省が認定している国家試験です。
IPA(情報処理推進機構)が統括している情報処理試験の一つであり、数あるIT系の資格試験の中でも、歴史が深く、最も認知度が高い資格として浸透している試験でもあります。
基本情報技術者試験
- 基本情報技術者試験とは?
高度IT人材となるために、基本的な知識と技術を持ち合わせている事を証明する試験です。 - 試験対象
学生から社会人1・2年目程度 - 試験範囲
ストラテジ系(経営全般の知識)
マネジメント系(IT管理の知識)
テクノロジ系(IT技術の知識)
システム開発(プログラムの作成) - 試験時間
午前試験:150分
午後試験:150分 - 出題数
午前試験:80問
午後試験:11問中5問を選択して解答 - 試験方式
パソコンを使ったCBT方式 - 合格基準点
午前試験:100点中60点
午後試験:100点中60点
両方の試験で、合格基準点を超える点数を獲得する必要あり - 試験の開催日
上期と下期の年2回(春と秋を予定) - 受験料
5,700円
ちなみに試験の内容は、情報技術に関する基礎的な知識から、プログラミングに必要な基礎的な技術を範囲としています。
試験の対象者としては、IT系の企業への就職を考えている、もしくはプログラマーやシステムエンジニアの1~2年目の人を対象としています。
ただ基本という名前の割に、試験自体はかなり難しく、人によっては半年以上の勉強期間が必要になる可能性もあるため注意が必要です。

基本情報技術者試験は、基本という名前が付いているけど、生半可な勉強では合格できない難しい試験だよ

合格率は2~3割ほど。社会人を含めてこの数字だから、かなり難しいと言えるな

だから生半可な気持ちで試験に挑むと、痛い目を見るから注意してね
試験範囲について

基本情報技術者試験では、大まかな試験範囲が決まっているものの、
試験が午前試験と午後試験で分かれており、
下記のように出題される問題の範囲が一部異なります。
午前試験
- パソコンやインターネットの知識
- 情報処理に必要な計算
- データベースやネットワークを利用および構築するための知識
- プログラムを構築する上での知識と方法
- 情報セキュリティに関する知識
- プロジェクトマネジメントをする上での知識
- 企業と法務に関する知識
午後試験
- 午前試験で出題された用語と知識を元にした長文問題
- アルゴリズム問題
- ソフトウェア開発問題(プログラミング言語問題)
ちなみに午後試験で出題されるソフトウェア開発問題については、以下の5つのプログラミング言語から1つを選択して解答するようになります。
- Java
- C言語
- Python
- 表計算
- アセンブラ(CASLⅡ)
どのプログラミング言語を選ぶかは、受験者の自由ですが、プログラミング言語によって、
習得の難易度や問題の難しさに違いがあるため注意が必要です。

また問題の難しさについてですが、
基本的に午前試験より午後試験の方が圧倒的に難しくなっています。
そのためできる限り早い段階で午前試験の勉強を終わらせて、午後試験の勉強に取り組む必要があります。
大体午前試験の2~3倍程度は勉強時間が必要になるため、計画的に勉強を進めるようにしましょう。

ちなみに以下のページでは、基本情報技術者試験の勉強をどのように計画したら良いか、といったスケジュールの作り方についてまとめてある


効率的な勉強は試験合格への近道だから、是非ともチェックしておいてね
試験形式について

基本情報技術者試験では、パソコンを利用したCBT方式という試験方式が採用されています。
操作に利用するのは、パソコンの付属機器であるマウスが中心。
他にも問題をメモしたい、計算を紙に書きたいという場合に備えて、メモ用紙とペンが会場で支給されます。
ちなみに実際の試験のやり方やパソコンの操作方法、当日の流れを知りたい方は、以下のページで概要が発表されているためチェックしてみましょう。


基本情報技術者試験が試験方式をCBT方式になったのは、新型コロナウイルスの影響によるものだから、試験方式が新しくなったのは結構最近の話なんだよね

そうだ。加えて今後はCBT方式へ移行したこともあって、受験料の値上げも予定されているぞ


だから今後、基本情報技術者試験を受験する人は、1回1回の試験を大事に受験してね
配点について

基本情報技術者試験の配点は、午前試験と午後試験で違います。
午前試験は、すべての問題が1.25点。
全80問の試験で満点が100点となっています。
また午後試験は、配点が以下のように細かく分かれているようです。

特に注意したいのは、配点が25点となっている問6と問7~11の
「データ構造とアルゴリズム」「ソフトウェア開発」です。
共に基本情報技術者試験の合否握っていると言える程の配点であり、
問題の難易度もかなり高く作られています。
そのためアルゴリズムとソフトウェア開発の勉強をどれだけできるかで、基本情報技術者試験の合格が決まると言っても過言ではないでしょう。

ちなみに基本情報技術者試験の合格基準点は、午前試験、午後試験、共に60点となっているよ

どちらか一方の基準を満たすのではなく、両方の基準をクリアしなくてはいけないから注意してくれ

加えて合格基準点はあくまでも基準点。状況によっては基準点を超す点数を取る必要があるから注意してね

詳しくは以下のページをチェックしてみてくれ

受験料について

基本情報技術者試験に必要な受験料は、7,500円(税込)。
そのため基本情報技術者試験を受けようと思ったら、最低限この金額だけは用意しておく必要があります。
ただ受験料に加えて、テキスト代や試験会場までの交通費、雑費を考えると、申し込んでから試験終了まで、25,000円程度の出費を考えておいた方が良いでしょう。
また費用についての詳しい情報は以下のページにまとめてあるため、試験への申し込みを考えている人は、是非ともチェックしてください。


基本情報技術者試験の受験料は、IT系の資格としてはそこそこ安い7,500円。

IT系の他の試験だと、2万円や3万円といった数字を超すことも珍しくない。だからこそ基本情報技術者試験は、学生向きの試験だと言えるな

ちなみに基本情報技術者試験より上の資格である応用情報技術者試験も受験料は同じだね

基本情報技術者試験に合格した人は、次のステップに応用情報技術者試験を受けてみても良いかもな
合格率について

基本情報技術者試験の合格率は、近年20~30%を推移しています。
同じ情報処理試験であるITパスポートや情報セキュリティマネジメントと比較しても、かなり低い数字となっているため、一筋縄ではいかない試験と言えるでしょう。
平成30年 合格率
- 基本情報技術者試験 25.6%
- ITパスポート 51.7%
- 情報セキュリティマネジメント 49.9%
また基本情報技術者試験は、会社に勤めている人よりも学校に在学している人の方が、合格率が高いというデータもあります。
- 25.6% 平成30年の合格率
- 24.5% 社会人の合格率
- 28.0% 学生の合格率
上記のデータを元に考察すると、基本情報技術者試験は情報処理の経験がある人より無い人の方が、そして社会人より学生の方が合格しやすい試験と言えるでしょう。

社会人より学生の方が合格しやすいのは何でだろうね?

やっぱり勉強時間が取れるかどうかは違いが大きいと思うぞ。特に午前試験の勉強は、過去問題の復習をどれだけできるかが重要だからな

社会人の人に話を聞いてみると、午後試験より午前試験で点数を落としている人も多いからね
申込方法について

基本情報技術者試験の申し込み方法は、インターネット申し込みに限られています。
また支払方法として、
- クレジットカードでの支払い
- Pay-easyでの支払い
- コンビニでの支払い
といった方法が用意されています。
ちなみにですが基本情報技術者試験は、参加資格がありません。
つまり誰でも年齢も関係なく受験できるため、遠慮なく受験して合格を目指しましょう。

基本情報技術者試験では従来の申し込み方式である郵送申し込みが、新型コロナウイルスの影響により無くなったよ

ただインターネット申し込みは、手続きが簡略化されていて楽で便利だぞ

便利になった分、インターネットの接続状況によって繋がりやすさといったポイントに注意する必要があるね

特に申込期限ギリギリといったタイミングだと、大量のアクセスにより申し込みページに繋がりにくいといった状況も考えられるから注意してくれ
基本情報技術者試験のメリット

基本情報技術者試験は、就職に就学にいろいろなメリットがある資格です。
特にIT系の企業へ就職を考えている際には、できる限り取っておきたい資格と言えるでしょう。
また基本情報技術者試験は、資格手当の対象になる資格です。
IT系の会社ならば、多くの会社で資格手当の対象となっているため、給料アップにも一役買ってくれるため覚えておいてください。
加えて基本情報技術者試験の地味ですが素晴らしいメリットとして、資格の更新が必要ないといったポイントも挙げておきます。
一度合格すればそれっきりで永続的に効果があるため、早く合格すればするほど貴方にメリットがある資格と言えるでしょう。

基本情報技術者試験は学生の内に取得できれば、就職の際に心強い武器になるね

基本情報技術者試験のメリットについては、以下のページでより詳しく説明しているから是非ともチェックしてくれ

おススメの参考書

最後に情報処理初心者におススメする参考書を紹介します。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
まずは午前試験の対策に、以下の「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」をおススメします。
「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」 はその名の通り、
イラストによる解説がメインとなっている参考書です。
漫画のような形式で分かりやすく解説が書かれており、
抜群の分かりやすさから情報処理を初めて経験する人にピッタリ。
また過去問題の量と解説が充実している点もおススメできるポイントとなっています。
ちなみに注意すべき 「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」 は注意すべきポイントとして、
情報数学の内容が足りていないといったポイントがあります。
そのため分かりやすさと引き換えに、情報数学の勉強が別途必要になるという点を頭に入れておいてください。
詳しいレビューは以下のページで。

基本情報技術者 合格教本
「基本情報技術者 合格教本」は、分かりやすさという点ならば上記で紹介した 「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」 より劣る参考書です。
ただ解説している情報量が多く、基本情報技術者試験の範囲をくまなく勉強できる点が素晴らしいと言えるでしょう。
ちなみに「基本情報技術者 合格教本」は、
情報数学の内容が充実している参考書となっています。
情報数学の基礎である2進数から確率、他の参考書では見逃されやすいベクトルや行列といった内容までキッチリ解説が入っているため、情報数学の勉強をするならもってこい。
そのため「基本情報技術者 合格教本」は、
- 情報数学の勉強を過不足無く勉強したい人
- 基本情報技術者試験を一発で合格したい人
といった人におススメできる参考書となっています。
より詳しいレビューは以下のページから

うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編]
「 うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編] 」は、
掛け合い式の解説による分かりやすさが特長の参考書です。
難しく堅苦しくなりやすいアルゴリズムの解説を上手く解説している参考書で、表やフローチャートといった解説も充実。
またアルゴリズムの過去問題を詳しく解説している貴重な参考書でもあるため、アルゴリズムの参考書の購入を考えるならば第一に考えたい内容となっています。
より詳しいレビューは以下のページから

プログラミング入門 CASL2―情報処理技術者テキスト
ソフトウェア開発(プログラミング言語)で初心者が選ぶとしたら、アセンブラ(CASL2)か表計算がおススメされると思います。
またアセンブラで、おススメの参考書を挙げるなら「プログラミング入門 CASL2―情報処理技術者テキスト」がイチオシと言えるでしょう。
「プログラミング入門 CASL2―情報処理技術者テキスト」は、
- プログラムの機能に合わせて、行ごとの解説を導入している
- 命令文による細かい違いを解説している
- 図やイラスト、フローチャートによる説明を導入している
- アセンブラ(CASL2)には欠かせない、実行結果のトレース表を掲載している
といったポイントが光る素晴らしい参考書です。
また「プログラミング入門 CASL2―情報処理技術者テキスト」は、私の知る限りアセンブラについて最も丁寧に解説されている参考書となっています。
そのためアセンブラの参考書を購入するならば、まずは「プログラミング入門 CASL2―情報処理技術者テキスト」をチェックしてみた方が良いでしょう。
より詳しい説明は以下のページから

基本情報技術者 表計算 とっておきの解法
「基本情報技術者 表計算 とっておきの解法」の素晴らしい所は、
表計算における鬼門であるマクロの解説が充実している点です。
実践的なデータを使った練習問題も素晴らしく、表計算の参考書を選ぶならば、第一の選択肢として考えておきたい参考書と言えるでしょう。
ちなみに「基本情報技術者 表計算 とっておきの解法」には、
電子書籍版の無料ダウンロード権も付いてきます。
他の参考書ではあまり見られない特典であるため、是非とも頭に入れておいてください。
より詳しい説明は以下のページから
