基本情報技術者試験の午後試験におけるハードウェア問題は、試験に合格したいならば確実に正解しておきたい問題です。
理由としては、
- 問題の難易度が低い
- 問題が解きやすい
- 勉強する個所が絞りやすい
といった点が挙げられるからです。
またハードウェアにおいて出題される問題には、基礎的な問題が多く、基本情報技術者試験を解く上で欠かせない知識ばかり。
むしろハードウェアができないのであれば、午後試験はともかく、午前試験ですら危ういと言えるでしょう。
目次
午後試験に出題されるハードウェアは、まさに午後試験の登竜門とも言える存在です。
そのため午後試験の勉強を始めた人は、まずハードウェアの勉強から始めてはいかがでしょうか?

午後試験で出題されるハードウェアの問題って、問題によって難易度にバラつきがあるような気がするね

確かにな。簡単な問題と難しい問題の差が大きいのは間違いないな

確かに難しい問題に関しては「これ本当にハードウェアの問題なの?」って、疑問に思いたくなるような問題もあるからね
・問題は基礎的な内容が多く解きやすい

ハードウェア問題における最大の特徴。
例えば以下の問題をご覧ください。


出典:平成30年春期 午後試験 問2より抜粋
上記の問題は、ハードウェア問題の題材としてよく使われる論理回路の問題ですが、恐らく基本情報技術者試験の勉強を少しかじった人ならば、一目で分かるかと思います。

ただハードウェア問題には、時にハードウェアとは思えないような問題や難しい問題が出題されます。
例えば平成23年秋期試験における問1のハードウェア問題。
この問題は問題を抜粋するのが難しい問題であるため掲載は割愛しますが、一目見るとまるで機械工学を題材としているかのような印象を受ける問題です。
また「浮動小数点数」に関する問題も、情報という分野では基礎的な内容ですが、内容が頭に入っていないと苦戦必至。
気になる人は是非ともIPA(情報処理推進機構)のホームページをチェックしてみてください。

ハードウェアの問題において、「論理回路」の他に解きやすい問題はあるのか?

問題によるけど「A/D変換器」を元にした、温度モニタに関する問題は簡単かな。

なるほど。

ちなみにハードウェアの問題を解く際には、満点を目指すつもりで挑んでね。そのくらい他の問題と比べると難易度が低いから

できる限り正解できるように努力する・・・
・覚えておきたい4つの重要ポイント

午後試験におけるハードウェアの対策を立てる際に覚えておきたいポイントが有ります。
それは
・論理回路
・浮動小数点数
・機械語命令
・A/D変換器
以上の4つです。
上記の内容はハードウェアの基礎であり、問題としてもよく出題される内容となっています。
そのためハードウェアの対策をするならば、まず初めに以上の内容を中心に勉強を進めるべきです。
・論理回路
「論理回路」に関しては論理演算を元にした
加算器の回路図や真理値表が出題されます。
また半加算器と全加算器の回路図の内容は、できるならば丸暗記をしておいてください。
何故ならば、時折加算器の内容を問題に当てはめるだけで解答できる問題が出題されるからです。
論理回路の出題例
- 平成21年秋期
- 平成25年秋期
- 平成30年春期
基礎とも呼べる内容である加算器で点数を取り逃すのはかなり痛いため、サービス問題だと思えるぐらいまで勉強を完ぺきにしておいてください。
・浮動小数点数
「浮動小数点数」は、符号部と指数部、
そして仮数部を元にしたビット計算が中心となる問題です。
問題の難易度自体は、かなり簡単な部類に入りますが、事前知識が無いと解くのが難しい問題となっています。
また問題によっては計算が必要になるため、あらかじめ過去問題の数をこなして、計算問題への耐性を付けておきましょう。
・機械語命令
「機械語命令」を元にした問題は、
午後試験の鬼門アルゴリズムとプログラミング言語のアセンブラの内容が混ざっているような問題になっています。
また「機械語命令」も「浮動小数点数」と同じく、事前知識が無いと解くのが難しい問題です。
ハードウェアとして出題される内容としては、難しい部類に入る問題であるため、最悪の場合は見逃しても良いように臨機応変に立ち回りましょう。
・A/D変換器
「A/D変換器」は、主に温度モニタの問題で用いられます。
名前自体は難しそうに思えますが、
実際はビット計算ができるかがポイントです。
そのため情報という分野の基礎ができていれば、かなり簡単に解ける問題となっています。
中には平成23年秋期における問1のような難しい問題もありますが、基本的には簡単に解ける問題であるため、是非とも満点が欲しい内容と言えるでしょう。

午後試験で出題されるハードウェア問題は、基本的にビット計算が中心になっているんだね

もしくは論理演算だな。基本的にその2つを覚えていれば、ハードウェアの問題はかなり解ける。ただ「浮動小数点数」を題材にしている問題は別だ

「浮動小数点数」に関しては、内容をキッチリ把握して、ビット計算を練習しておかないと解くのが難しいからね
・真理値表と単純な2進数が見えたらまずは問題を読んでみる

ハードウェアの問題は、基礎的な内容が多く点数が稼ぎやすいですが、中には浮動小数点のような知らなければ解けない難しい問題も出題されます。
ただそんな中でも簡単な問題をパッと見分ける方法があります。
それが真理値表と単純な2進数です。
ハードウェアに出題される問題の中でも、
真理値表と単純な2進数が含まれる問題は基本的にかなり簡単。
そのためハードウェアの問題で真理値表と単純な2進数が見えたら、まずは試しに問題を読んでみてください。
もちろんこれまで試験に出題された傾向、個人的な感覚による見分け方になってはいますが、問題の取捨選択の役にぐらいは立つはずです。
ちなみに真理値表と単純な2進数が含まれる問題は以下の通り。
- 平成30年 春期 午後 問2
- 平成29年 春期 午後 問2
- 平成26年 秋期 午後 問2
- 平成25年 春期 午後 問1
- 平成25年 秋期 午後 問1
- 平成23年 秋期 午後 問1
- 平成21年 春期 午後 問1
- 平成21年 秋期 午後 問1
※浮動小数点の問題に含まれている単純な2進数は除く
平成23年秋期の問題は例外で、確実に難しいですが、後は比較的簡単。
もし午後試験の勉強に自信がない人は、まず上記の問題から手をつけてみてはいかがでしょうか?

上記の問題以外で得点が取りやすそうなのは、温度モニタを使った問題だね

ただ温度モニタの問題は、2進数ではなく16進数を題材としているから、人によっては問題を解くのに時間が掛かるかも知れない

まあパッと問題を読んでみて難しそうだったら、飛ばして他の問題を解いてね

試験時間の管理は、問題を解く事と同様に、もの凄く大事な要素だからな
・重要キーワード

ハードウェア問題を解くために、必ず覚えておきたいキーワードは以下の通りです。
- ビット
- 真理値表
- AND
- OR
- NAND
- NOR
- XOR
- レジスタ
- 指標レジスタ
- 実効アドレス
- 半加算器
- 全加算器
特にビット列の計算ついては、最重要項目だと覚えておいてください。
ビット列は、情報という分野における基礎的な内容ではありますが、ビット列に関する知識が完璧でないと、問題を解くのが途端に難しくなるため注意しましょう。

まあ、ここに書かれているキーワードは、基本情報技術者試験を受験する際には、必ず覚えておかなくちゃいけないキーワードだよな

どのキーワードも午前試験の内容をキッチリ勉強しておけば、覚えているであろうキーワードだからね。だからこそ手を抜いて勉強していると痛い目を見るかも・・・

ちなみに用語の暗記については、以下のページに効率的なやり方が書いてある


ハードウェアは用語の暗記が重要だから、是非ともチェックしてみてね
・ハードウェアの出題率について

基本情報技術者試験では、2020年の試験から午後試験における問題割合が、以下のように改正されました。

もちろんハードウェアに関しても、問題比率の改正対象に入っているため、試験を受ける前には、必ず内容をチェックしておいてください。

ちなみにハードウェアの出題率については、
全22回中14回となっているようです。(令和元年から平成21年まで)
- 平成30年 春期
- 平成29年 春期
- 平成27年 秋期
- 平成26年 秋期
- 平成26年 春期
- 平成25年 秋期
- 平成25年 春期
- 平成24年 春期
- 平成23年 秋期
- 平成23年 春期
- 平成22年 秋期
- 平成22年 春期
- 平成21年 秋期
- 平成21年 春期
ただ出題された回を見てみると、比較的古い試験に出題傾向が偏っているため、ハードウェアにヤマを張るような試験対策は止めておいた方が無難と言えるでしょう。

ハードウェアは、テクノロジ系の一種として高い確率での出題が予想されるんだね

だからこそハードウェアが簡単だからと言って、油断するのだけは禁物だぞ
まとめ
今回は基本情報技術者試験における午後試験のハードウェア問題について解説しました。
- 問題は基礎的な内容が多く解きやすい
- 覚えておくべきポイントは
「論理回路」「浮動小数点数」「機械語命令」「A/D変換器」 - 簡単な問題の見分け方は真理値表と単純な2進数
- ハードウェアの問題は、高い確率で出題されると思って勉強を進める
覚えるべきキーワード
- ビット
- 真理値表
- AND
- OR
- NAND
- NOR
- XOR
- レジスタ
- 指標レジスタ
- 実効アドレス
- 半加算器
- 全加算器
ハードウェアを題材とした問題は、事前知識が必要となりますが、
基礎的な問題が多く、問題自体も簡単で解くのも難しくありません。
また問題を解く時間もかなり少なくて済むため、できる限り確実に、そして素早く答えて、試験を有利に進められるように準備しておきましょう。
ちなみに午後試験で出題される問題の中には、ハードウェア以外にも解き易い問題があります。
そんな解き易い問題は、以下のページにまとめてあるため、是非ともチェックしてください。

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