計算問題が多そうな、基本情報技術者試験。
でも実のところ、基本情報技術者試験の午前試験で出題される計算問題は、
3割にも満たないという事実をあなたは知っていますか?
そこで今回は、基本情報技術者試験における午前試験に出題される、計算問題の分野と割合について解説します。
計算問題は試験全体から見れば、3割程度の出題率となっています。
しかし計算問題は出題率が低いからといって、手を抜いていい問題ではありません。
むしろ計算問題に手を抜いてしまうと、他の問題で高得点を取るしかなくなるため注意してください。
今回集計した問題は、基本情報技術者試験における午前試験、平成21年春期から平成30年春期を対象にしています。
また計算問題としての集計を除外した問題は以下の通りです。
- 計算が1回で済むような問題
- クリティカルパスで用いられる1桁の足し算のような問題
- 条件に当てはまる数式はどれ? といった問題(計算しなくても分かる問題)

計算問題は、難しくて勉強する内容が多く感じたから、もっと出題率が高いかと思ったよ

参考書を最初から勉強していくと、所々に計算問題の勉強が出てくるから計算問題が多く感じるのかもな

まるで飛び石のような感じで、忘れた頃に出てくるって感じだからね
・計算問題が出題されたのは平均で9問程度
まずはこちらの表をご覧ください。

以上の表は、基本情報技術者試験における午前試験で、計算問題が出題された試験を集計したものになります。
以上の表から分かる通り、午前試験で出題される計算問題の出題率は、
午前試験全体(80問)の10%程度です。
ちなみに計算問題が一番出題されたのは、平成22年春期試験の14問。
逆に計算問題が一番出題されなかったのは、平成27年春期、平成28年春期、平成29年春期の6問という結果になりました。
また計算問題の難しさに関してですが、
基本的には、単純な四則演算ができれば十分に答えられる問題が多く、
難易度の高い問題であっても小数や方程式の計算が出てくる程度となっています。
ちなみに数学の経験に関しては、以下のページに情報をまとめてあるため、気になる人は是非ともチェックしてみてください。


なんか出題率を見ていると、古い試験程、計算問題の出題率が高いのかな? っていう疑問が湧いてくるね

確かに古い試験の方が、計算問題の出題率は高い。あとは試験制度が変更される前の試験は、情報数学の出題率が高いといった特徴もあったな

基本情報技術者試験は、それなりに歴史がある試験だから、試験傾向にも結構違いがあるんだね
・計算問題は出題範囲が広い


午前試験で出題される計算問題の割合は分かったけど、じゃあどんな計算問題が出題されるんだろう?
先ほどの計算問題の出題率を見た人の中には、こんな疑問を持った人がいると思います。
では端的に、計算問題の中で警戒すべき問題は以下の通りとなっています。
- 情報数学全般
- 再帰関数
- MIPS
- 故障率の計算
- 稼働率の計算
- ファンクションポイント法
- データ転送計算
- 線形計画法
また会計や財務といった分野の問題も、計算問題の出題頻度が高く、難しい問題が多いため、ちゃんとした余裕が必要と言えるでしょう。

上記の内容を見ると、計算問題の出題頻度は、全体の10%程度と高くないが、勉強しなればいけない範囲は広く感じるな

そこが難しいところだよね。ストラテジ系の会計や財務といった分野は、問題が難しいだけじゃなく、範囲も広いからね・・・
・2019年からの改正による影響について

基本情報技術者試験では、2019年秋期試験から以下のような改正が、午前試験にて実施されるという発表が有りました。
・理数能力を重視し、線形代数、確率・統計等、数学に関する出題比率を向上
引用:IPA(情報処理推進機構)の「プレス発表 基本情報技術者試験における出題を見直し」ページ
「(3)午前試験での数学に関する出題比率の見直し(適用時期:2019年の秋期試験から)」より
そして実際の試験において、情報数学の問題数がどうだったかというと、
- 令和元年秋期試験
7問 - 平成31年春期試験
4問
といった形で、午前試験における情報数学の出題率は上がっていました。
ちなみに情報数学の問題を含めた計算問題ついては、約7問が出題と、極端に増えたわけではありません。
また2019年に実施された試験では、既存の問題にアレンジが加えられたような問題が多かったという特徴もありました。
以上のポイントをまとめると、今後の情報数学と計算問題の勉強については、
- 情報数学の勉強は、午前試験における重要科目として重点的に勉強する
- 計算問題については、問題の解き方を把握した練習をする
といったポイントが重要になります。

情報数学の問題は、約2倍と出題率が増えたんだな

後は試験の傾向として、数学の要素が強い試験でもあったから、今後は数学の勉強を重視する必要があるかもね
まとめ
基本情報技術者試験における午前試験の計算問題を調べてみると、以下のようなポイントが見つかりました。
- 過去の試験における計算問題の出題率は平均で9問ほど
- 午前試験に改正が有った2019年秋期試験では、以下のような特徴があった
- 情報数学の出題率はアップした
- 計算問題の出題率は例年と同じくらい
計算を必要とする注意すべき分野
- 情報数学全般
- 再帰関数
- MIPS
- 故障率の計算
- 稼働率の計算
- ファンクションポイント法
- データ転送計算
- 線形計画法
計算問題は問題ができるようになるまで、時間が掛かる分野です。
特に数学が苦手な人は、先入観により勉強を避けてしまう分野かも知れません。
しかし計算問題はウラを返せば、問題文を計算式に当てはめれば良いだけの
得点が取りやすい問題でもあります。
基本情報技術者試験に出題される問題は、難しく複雑な計算は必要としないため、むしろ情報処理の初心者にこそ勉強してほしい分野と言えるでしょう。
ちなみに以下のページでは、午後試験における計算問題の出題率を解説しています。

計算問題の出題率について、より深く知りたいと思う方は、是非ともチェックしてみてください。
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