2022年4月25日、基本情報技術者試験を統括するIPA(情報処理推進機構)より、基本情報技術者試験の試験内容を変更するという発表が有りました。
今回の変更は従来のプログラミング言語の追加および変更、数学の出題率上昇ではなく、
あまりにも大幅な試験改正。
そのため過去に試験を受けてからの再試験を考えている人は、変更による影響が大きすぎるため、絶対にチェック必須です。
今回の変更において特筆すべきは、午後試験の改定。
従来の試験と比べると、もはや別試験と言っても差し支えありません。
だからこそ従来の試験内容で勉強を進めている人は、2022年の秋期試験で何が何でも合格した方が良いでしょう。

従来の試験から考えると、今回の試験改定はあまりにも大きい変更だよね。…

内容だけを見ると従来の試験に携わってきた人は、ため息が多くなると思う。ただ新規受験生にとってはプラスの要素が多いと思うぞ

特に随時試験可能になる点は、ようやく来たか! と思える内容だよね。試験日を限定されるのはあまりにも辛い話だったからね

だから1ヶ月後に企業の面接が控えていようが、1週間後に試験に合格してしまえば、履歴書に書けてしまえるなんて素晴らしい状況も十分にありえるぞ!
試験の変更点
・出題形式の変更
2023年4月の改正により、基本情報技術者試験は出題形式が以下のように変わります。

今回の変更では「試験時間」「出題数」「解答数」といった要素全てに変更が入るため、勉強方法の大幅な変更が求められます。
つまり従来の試験勉強だと、大幅に無駄な部分が出てくるため注意が必要です。
また出題形式の変更により、試験範囲にも大幅な変更が入ります。
・出題範囲の変更
2023年の試験改定における最大の変更点、それは出題範囲の変更。
今回の変更は以下のようになっています。

従来の午前試験相当するA試験は問題数以外変更点はありませんが、午後試験に相当するB試験はこれまでとは、ほぼ別物。
また基本情報技術者試験を統括するIPA(情報処理推進機構)のホームページでは、B試験のサンプル問題が公表されていますが、
内容を見てみると「情報セキュリティ」と「アルゴリズム」の分野が出題の中心というより、
「情報セキュリティ」と「アルゴリズム」の問題のみが出題。
つまり従来の試験のように、特定の分野で点数を稼ぐような方法ができなくなったため、否が応でもアルゴリズムの勉強を完ぺきにする必要があります。
また問題の出題率については
- アルゴリズム:8
- 情報セキュリティ:2
といった比率になっているようです。
そのため基本情報技術者試験の勉強は、従来の試験勉強と比べて、勉強する範囲はかなり少なくて済みます。
ただアルゴリズムと情報セキュリティの勉強は避けては通れないため、アルゴリズムの勉強が苦手な人はかなり厳しい状況に陥るかと思います。
・採点方法の見直し
基本情報技術者試験では、今後採点方式にIRT(Item Response Theory:項目応答理論)が適応されます。
IRT(Item Response Theory:項目応答理論)は、被験者の能力や問題の難易度を加味した採点方式で、端的に言ってしまうとマグレによる合格が少なくなります。
もちろん詳細な採点方法は載っていないため上記の内容は憶測にはなりますが、従来の試験に比べると運による突破は難しくなると言えるでしょう。
・サンプル問題の雑感
2022年5月25日に公開された新方式の試験に合わせたサンプル問題をサッと見たところ、
最初に浮かんだのは「問題が簡単になった」という感想です。
というのも公開されたサンプル問題では、
- 従来の試験であった小難しく長い文章が省略された
- 単純なプログラムを問う内容になった
- 問題数が減少した
といった特徴がありました。
ただし問題が簡単になったからといって油断して良い訳ではありません。
何故ならばIRTの試験では、正解率が高い簡単な問題を外すと、後半の問題で正解しても点数が伸びないという状況が考えられるからです。
そのため令和5年の試験からは、プログラムの基本的な書き方をどれだけ知っているかというポイントが重要になると言えるでしょう。
実施方式の変更点
・試験は随時開催に
基本情報技術者試験は、2023年4月をもって、
いつでも試験を受けられる随時開催方式に変更になります。
つまり従来の試験であったような

企業へのエントリーシート、履歴書の提出が5月だけど、試験日が4月だから所持している資格の欄に書けない…
といった状況は無くなります。
また

履歴書の資格の欄に空白があって物足りなさを感じる…
なんて状況の時にも、基本情報技術者試験に合格出来てしまえば、駆け込みで強力な武器を手に入れられるかも知れません。
今後古い参考書は使えるのか?
ここまで試験内容が変更になる点を挙げてきましたが、ここまで大きな変更が入ると、2022年までで出版されている参考書にも、使える参考書と使えない参考書が出てきます。
・使える参考書
- 午前試験
- セキュリティ
- アルゴリズム
ずばり上記に記載した内容を題材にした参考書は、今後も利用可能だと思います。
ただしアルゴリズムについては、プログラムのロジックについて書かれている本より、関数やデータの動き方を重視した参考書の方が使いやすい可能性があります。
というのも、サンプル問題で使われたプログラムが、関数の宣言やデータの動きに着目した問題が多かったからです。
そのため古い参考書が使えないことはないですが、ある程度誤差が出てくるという点に注意して利用しましょう。
・使えない参考書
- 各種プログラミング言語
- C言語
- JAVA
- Python
- アセンブラ言語
- 表計算ソフト
上記の内容について書かれた参考書は、2023年4月の基本情報技術者試験からは、必要ありません。
理由はもちろん、問題が無くなるから。
勉強で利用できないことはありませんが、各言語を専門的に勉強したいのであれば、基本情報技術者試験ではなく、専門書を購入した方が良いでしょう。
まとめ
今回は2023年4月より基本情報技術者試験で適応される、試験内容の変更点について解説させて頂きました。
試験の変更点
- 出題形式
- 科目A試験(午前試験)
試験時間:90分
出題数:60問
解答数:60問 - 科目B試験(午後試験)
試験時間:100分
出題数:20問
解答数:20問
※選択問題なし
- 科目A試験(午前試験)
出題範囲
- 科目B試験(午後試験)
「情報セキュリティ」と「アルゴリズム」の出題が中心- 問題割合
アルゴリズム:8
情報セキュリティ:2
- 問題割合
- 個別のプログラミング言語は、アルゴリズムに統合
採点方法
- IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に移行
試験日
- 随時開催
今回の試験改正では、ほぼ全ての試験内容が変更になるため、従来の試験に不合格になって再試験を受ける人は注意が必要です。
そのため従来の試験方式で受験を考えていた人は、できる限り2022年秋期での試験合格を目指した方が良いでしょう。
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