あなたは2019年秋期の基本情報技術者試験から、試験内容が一部改正されることを知っていますか?
もしかしたらこのページを見て、初めて変更が入るという知らせを知った人もいるかも知れません。
そこで今回は2019年秋期の基本情報技術者試験における改正内容について解説します。
2019年度秋期試験以降の基本情報技術者試験では、
午前試験において数学の問題の出題比率が上がります。
特に情報数学の出題比率が上がるため、文系出身の人と理系出身の人では、差がつきやすい試験になるでしょう。
しかしそんな経験の差も、早い段階で試験勉強を開始すれば些細なこと。
むしろ真っ白な状態から勉強を開始した方が、勉強をスムーズに進められる可能性もあるため、自信を持って勉強を進めてください。

確率とか統計とかは分かるが、線形代数っていうのは聞いたことは無いな

確かに線形代数に関しては、理系の人じゃないと馴染みが無いかもね。

これは気合を入れて勉強する必要があるかもな・・・
・午前試験で数学問題の出題比率が上がります

基本情報技術者試験を統括しているIPA(情報処理推進機構)から、以下のようなアナウンスがされています。
・理数能力を重視し、線形代数、確率・統計等、数学に関する出題比率を向上
引用:IPA(情報処理推進機構)の「プレス発表 基本情報技術者試験における出題を見直し」ページ
「(3)午前試験での数学に関する出題比率の見直し(適用時期:2019年の秋期試験から)」より
つまり2019年秋期以降は、情報数学に関する勉強を増やして試験に挑む必要があるでしょう。
それでは発表にも書いてある
- 線形代数
- 確率
- 統計
- その他の問題
について解説していきます。
情報数学の出題数
- 2019年(令和元年)秋期試験 7問
- 2019年(平成31年)春期試験 4問
※ちなみに実際に実施された2019年秋期の試験では、情報数学の問題が例年の2倍程度と出題数が増えていました。
・「線形代数」
2019年秋期の試験からは、線形代数に関する問題が増えるようです。
例えば過去の基本情報技術者試験では、以下のような線形代数の問題が出題されました。

出典:基本情報技術者試験 平成24年春期 午前試験 問3
この問題を少し解説すると、横の1行目はV1に、横の2行目はV2といった順で、それぞれV1~V4までが行列として表されています。
また縦の1列目はV1、縦の2列はV2といった形に対応しています。

V1~V4におけるそれぞれの関係性を見てみると、V1の2番目と3番目に関しては、「1」が割り振られているようです。
そして上記の表を分かりやすく、色で紐付してみましょう。

そして問題文の
「節点ViとVjを結ぶ枝が存在するときは、第i行第j列と第j行第i列の要素が1」
という内容に行列を当てはめてみると、
答えは「エ」となります。
ちなみに今までの基本情報技術者試験では、このような線形代数の問題は、あまり出題されませんでした。
何故ならば線形代数という分野は、基本情報技術者試験よりレベルが高い試験である
応用情報技術者試験でよく出題されていた分野だからです。
そのためもし線形代数の勉強を万全にしておきたいという人は、
応用情報技術者試験の過去問題も勉強の範囲だとして考えておいてください。

線形代数って、応用情報技術者試験でよく出題されていた問題だったのか。どうりで問題が少ない訳だ

そうだね。だから対策とかが難しい分野かも知れないね。けど線形代数は、プログラムをやるならば、勉強しておいて損は無い分野だよ

なんで損しないんだ?

線形代数ってプログラムにおいて色々な分野で使われているからね。例えば、グラフィックとか機械学習とか。だから人によっては、会社に入ってから勉強するなんて可能性もあるよ

なるほど。なら今の内から、少しでも頭に入れておくと、仕事で役に立つかも知れないな
・「確率」
情報数学の基礎とも言える確率。
近年では出題率が落ちていた分野ですが、2019年秋期の試験からは出題が増えるため、今後は重要性が高くなる分野と言えるでしょう。
ちなみに確率は、過去の基本情報技術者試験において、以下のような問題が出題されています。

出典:基本情報技術者試験 平成30年春期 午前試験 問2

情報数学の基礎中の基礎とも呼べる確率は、nPr(順列)やnCr(組み合わせ)といった公式を覚えてしまえば、
非常に点が取りやすい問題となっています。
そのため2019年秋期以降の受験を考えている人は、是非とも確率を完璧にして、試験の点数を伸ばしてください。

確率で使うnPr(順列)やnCr(組み合わせ)といった公式は、初めて見ると難しいと思うかも知れないけど、実は掛け算と分数ぐらいができれば誰でも解ける単純な計算だよ

計算問題や数学が苦手な受験生でも、少し練習すれば余裕で解けるようになる。だから数学が苦手といった先入観だけで問題をスルーするといった状況だけはやめておいた方が良いぞ
・「統計」
中央値(メディアン)、最頻値(モード)、平均(ヒストグラム)。
データを見やすく、分かりやすくする統計という分野には欠かせない要素です。
そして2019年秋期からは、そんな統計という分野も出題比率が増えるという発表が出ています。
ちなみに過去の基本情報技術者試験では、以下のような統計に関する問題が出題されました。

出典:基本情報技術者試験 平成21年秋期 午前試験 問1



統計って勉強が難しい分野だよな。最近の参考書だと、統計に関する内容が書かれていない場合もあるからな

そういった場合は、過去問題の解説が付属している参考書を購入して、統計の内容を理解すると良いかもね

なるほど。過去問題から内容を理解するっていう方法もある訳だな
・「その他の問題」
2019年秋期試験以降は、「線形代数」「確率」「統計」だけでなく、情報数学という分野で勉強している内容は、出題率が増えると思って勉強を進める必要があります。
なぜ出題率が増えると思って勉強を進める必要があるのか?
それは基本情報技術者試験を統括しているIPA(情報処理推進機構)から、
理数能力を重視し、線形代数、確率・統計等、数学に関する出題比率を向上
引用:IPA(情報処理推進機構)の「プレス発表 基本情報技術者試験における出題を見直し」ページ
「(3)午前試験での数学に関する出題比率の見直し(適用時期:2019年の秋期試験から)」より
「等」といった文言が付いているからです。
そのため基本情報技術者試験において基礎理論として学ぶ分野については、サラリと流すような勉強ではなく、キッチリと内容を把握する勉強が必要になるでしょう。

ところで基礎理論として勉強する内容はどんなものがあるんだ?

そうだね。例えば、基数変換やビット演算。あとはn進数の計算や論理式とかも基礎理論になるかな

どの問題も他の分野の勉強に繋がる大事な内容だな

うん。だから、しっかり勉強しておいて損は無い内容だと言えるよ
・平成20年以前の過去問題を復習すべし

ここまでの記事を読んだ人の中には、

今まで出題が少ないなら、過去問題も少ないから、対策が立てづらいかも・・・
といった不安を持つ方もいると思います。
しかし、安心してください。
じつは平成20年以前の過去問題には、基礎理論を始めとした数学の問題が現在の試験に比べて倍ほど出題されています。
そのため「過去問題が少ないな」と感じたら以下のリンクから、基本情報技術者試験を統括しているIPA(情報処理推進機構)の過去問題ページにアクセスして、古い過去問題を解いてみましょう。


平成20年以前の問題は、問題が少し簡単かもしれないけど、勉強した内容を確認するだけであれば、十分な内容と言えるぞ

計算式や計算のやり方を身に付けたら、あとは練習問題をひたすら解くだけ。回数を重ねて、頭の中に計算が浮かぶようになるまで練習してね
まとめ
今回は基本情報技術者試験における2019年秋期試験より変更される数学問題について解説しました。
- 午前試験において数学問題の出題比率が上がります
- 「線形代数」
- 「確率」
- 「統計」
- 「その他の問題」
- 平成20年以前の過去問題を復習すべし
基本情報技術者試験では、2019年秋期試験から数学の出題比率が上がります。
恐らく現状の2~3問程度から、少なくとも5~6問、多ければ10問程度、数学に関する問題が出題されると予想できるため注意が必要です。
そのため2019年秋期試験から試験を受験しようと思っている人は、情報数学の内容をしっかり勉強して試験に挑んでください。
ちなみに基本情報技術者試験は、数学の経験が無くても十分に合格できる試験です。
詳細は以下のページにまとめてあるため、数学や計算問題に自信が無い人は、是非ともリンクをチェックしてください。

コメント
最後の統計に関する問題の答えは…?
うなじゅぅさん
ご質問ありがとうございます。
管理人のくますけです。
最後の統計に関する問題の答えと解説を追加しました。
参考にして頂ければ幸いです。
試験前日にここのページに来たおかげで行列の問題が瞬殺でした。
ありがとうございます。
Kさん
コメントありがとうございます。
管理人のくますけです。
行列の解説がお役に立てたようで幸いです。
では、Kさんが試験に合格していることをお祈りしております。